江戸時代から続く
「仁淀ブルー」と評される仁淀川が流れる高知県吾川郡仁淀川町。ここでは、土佐伝統野菜『牧野野菜』のひとつ「田村かぶ」が生産されています。江戸時代頃から仁淀川町の田村地区を中心に焼畑などで栽培されてきた在来の赤かぶです。表面は鮮やかな赤紫色をしており、形状はやや扁平。大きいものになると2キロ程まで成長します。また、田村かぶが育つ仁淀川町は、地質学的に2億年前の海底山地が隆起してできた土地で良質な石灰岩を多く含んでいる為、豊富な栄養素のもとになっています。冬には雪になることあり、厳しい寒さが甘くて美味しい田村かぶの味を引き出しています。
守り続けられた理由
独特の香りがあり、加熱するととても甘く、食感がしっかりしているので地元では最盛期となる12月~2月頃に、鯨のすき焼きの具材としても使われています。その美味しさゆえに、昔から地域住民の方々が協力し合い、田村かぶの種を採集・保存し、大切に守り継いできました。現在、日曜市や良心市、地元商店でわずかに販売されているものの、そのほとんどは、自家消費用に作られているのみとなっています。
知名度を上げていく
生産者の大原栄和さんは「種を守り、田村かぶの知名度をもっと上げていきたい」と5年前から自身が営む『まめファーム』の敷地内で栽培をスタート。健康的な食材をお客様へ届けることをモットーに、無化学肥料・無農薬で育てられています。
インタビューの終わりには「まだまだ、知名度も低く需要も少ない、来年の春からはじまる牧野富太郎博士がモデルの朝ドラ『らんまん』の影響で少しでも人気が出て欲しい」と笑みをこぼしながら話してくれました。
『田村かぶ』和食料理
『田村かぶ』洋食料理