夢が叶う苺

高知県の中西部、仁淀川の支流である柳瀬川沿いに開けた盆地の町、佐川町。

県内だけでなく全国で高い評価を得ているブランド苺「ゆめのか」の生産地です。濃厚な甘さと果汁が多くてジューシーさが特徴の「ゆめのか」は、『夢のかなうおいしい苺』という意味合いが込めれて命名された品種です。

「JA高知県佐川支所苺部会(14名)」の部会長を務める苺農家の植田正和さん。植田さんたちがつくる「ゆめのか」は関西の高級スーパーにも陳列され、日本中から熱い視線を集めています。

妥協せず、納得のいく苺を

植田さんの父は佐川町で苺の生産が黎明期だった昭和50年に苺農家をはじめ、ご自身も平成9年に家業を引き継ぎました。その後は、前線に立って仲間と共に佐川の苺を必死に守り続け、徹底的に品質の向上に努めていきます。

今ではその品質の高さが評価され「高知県の苺といえば佐川町」というイメージを持つ人も多く、県民の方々にも佐川ブランドが徐々に浸透していました。

一般的には苺の収量を増やすため暖房機を入れる農家さんがほとんどですが、植田さんは美味しい苺を作る為にあえて入れないそう。「暖房機を使用し無理やりハウス内の温度を上げてしまうと、成長は早いのだが旨味や甘みが苺に乗らず、納得のいく美味しいものができない」と仰ってました。

気ままに食べて

収量は減少してしまうのだが、自然な気温の変化にリズムを合わせ苺が熟すまでゆっくりと時間をかけることで、甘みや旨味がぎゅっと凝縮されここにしかない美味しい苺が完成するそう。

昼夜で寒暖差が激しい佐川町ならではの気候も美味しい苺ができる理由のひとつだそうです。城西館に来て下さるお客様には「気ままに好きなように食べて欲しい」と楽しみながら食べることをおすすめする植田さん。現在は、新規就農者の支援にも携わり、次世代を担う若手農家さんとともに佐川ブランドを守り続けてます。