年間100頭のみ生産

四万十市の北部、美しい清流四万十川の中流域にある西土佐地区。ここで育てられているブランド牛『四万十牛』は、年間100頭程しか生産されていない希少なメスの黒毛和牛。一般的な黒毛和牛と比べて、脂の甘みと旨味が優れていると評されています。四万十牛は有名ブランド牛も並ぶ第13回神戸市西部市場銘柄和牛共進会で優秀賞を受賞。さらにJA高知県肉牛枝肉共励会では何度も最優秀賞に輝くなど、プロの目利きが太鼓判を押すほどの逸品です。

四万十牛本舗の横山元紀さん
四万十牛本舗の横山元紀さん

 

 

兄弟でバトンを繋いで

「メス牛ならではの柔らかく甘みのある脂があるからこそ、四万十牛は美味しい」と語る四万十牛本舗の横山元紀さん。元紀さんの経営する「横山精肉」では、四万十牛生産数が少なく市場にほとんど出回らない為、この味を求めて、地元の方だけでなく県外からも多くの人が訪れます。四万十牛を飼育している契約牧場の横山畜産を経営するのは元紀さんの兄、横山大河さん。高校時代に家業である四万十牛の畜産を引き継いだ後、知り合いの農家を駆け回り美味しい牛を育てる為の飼育方法を研究しました。牛が快適に過ごせる環境づくりが何よりも大切だと考え、地面には地元の製材所から譲り受けたヒノキなどの柔らかいおがくずを敷いて、ゆったりと過ごせる寝床を整備。

横山畜産を経営するのは元紀さんの兄、横山大河さん。
横山畜産を経営するのは元紀さんの兄、横山大河さん。
驚くほと清潔に保たれた牧場内
驚くほど清潔に保たれた牧場内

 

AIを駆使した管理体制

2021年からはAIを搭載した首輪をつけて牛の体調をデータで管理するなど最先端の技術も導入し、牛にかかるストレスを徹底的に取り除いています。さらに、近所から買い付けた稲藁入りの飼料や、四万十川支流から引いた飲み水を与えることでより健康的で高品質の四万十牛が育ちます。「なにより美味しい四万十牛をお客様に届けたい」と笑顔で語る若き生産者の今後の活躍には目が離せません。

松本総料理長と洋食の斉藤シェフとともに横山ご兄弟と記念撮影
松本総料理長と洋食の斉藤料理長とともに横山ご兄弟と記念撮影