
“りぐっちょ”=土佐清水の方言で「とことんこだわる」という意味。
その名を冠するりぐっちょマンゴーは、糖度20度を超えてなお後味が軽い土佐清水の海と山と人の情熱が生む奇跡の果実です。
黄金の果実が生まれる場所
土佐清水市下川地区は、手つかずの自然が残るまちです。冬でも10℃を下回らない温暖な気候、太平洋から吹く潮風、そして眼前に迫る濃い緑の山々が、トロピカルフルーツに理想的な環境をつくり出しています。そこには約2反のビニールハウスが連なるりぐっちょファームがあります。600本のマンゴー樹が光を受けて輝く光景は、まさに南国の温室です。細川政彦さんは毎朝、その一本一本に声をかけるように見回りを行っています。
ラジオから始まった挑戦
きっかけは、キュウリの収穫をしながら聞いたラジオ番組のニュースで耳にした宮崎県のマンゴーブーム到来の話題でした。元々は胡瓜農家だった細川さんは思い立って宮崎へ飛び込み、先進農家の門を叩きました。最初の3年は内部褐変や裂果に悩み、出荷できたのはわずか数箱でした。それでも「この甘さを清水の名物にしたい」と諦めず、沖縄の研究機関にも電話をかけ、試行錯誤を重ねました。
りぐっちょ流のこだわり
光を逃さない手吊り管理でネットによる自然落下を待つ一般的手法は使わず、完熟直前まで紐で吊り下げ、毎日果実の向きを微調整しています。ハウスの天窓から差す光を余すことなく浴びせ、果皮を濃い黄金色に染め上げています。魚粉ベースの独自肥料は港町ならではで、新鮮な魚粉を肥料に配合しています。配合比は家族にも明かさない門外不出です。肥料は味や品質に直結するため、細川さん本人以外は誰も知りません。メロンのように水を絞れば甘くなるわけではないので、りぐっちょマンゴーは十分な水と葉面光合成によって糖をため込んでいます。かじればジューシーかつ濃厚な味わいがあり、それでいて後口は柑橘を思わせる爽快感があるのが最大の特徴です。市場に出回る数が非常に少ないので、滅多に食べられない稀少な食材です。